fいざとなったらブレスでもって戦える。

「いっくぞおぁあー!」

 あたし達の立ち位置はディノーディアさんの頭上だった。だから谷の全部を見渡せた。

 奴らは洞穴の中。呼べば反応くらいはしてくれるのかもしれないが、残念な事にこちらは相手の名前を知らなかった。そこここにある穴の中に彼らが潜んでいるのがわかる。
 
 シン、とした空気がおかしい。風が吹いてない。峡谷を渡る風が。

「うるあぁああー」

ガナッシュの雄叫びも、効いているのかいないのか、わからない。



「わぬしらに頼みたいことはな、あのハゲチャビンの被っていたドラゴアのマントそのものだ。あれには竜族の秘密が隠されていてな」

「それで調子に乗ってたのね、あの男」

「さもありなん」

 と、男性陣は頷き交わす。