天翔る奇跡たち

 

それ、水で洗っちゃダメだったんじゃないの? とグリフにあたしは言いたい。

「新しいのはどういうのがいいわけ?」

「え、俺そんなつもりじゃあ」

「わかるけど。仕事に差し支えるもんね、グリフのモチベーションがさがるとさあ。」

「なんだ、気付いてた?」

 グリフがここまであからさまな要求するの、初めてだよね。

「あったまいーなー! さすが詩人」

 と、なんだかご機嫌だ。

 よっぽど捨てたいんだね、そのマント。

 たとえ雑巾にしてでも。

 まあ、いいか。

 やっとオムツの心配がなくなって、ほっとしたしさ。

 グリフのおかげだよ。

 て、言ったらさ、グリフの様子がおかしい。

 天然なのは仕方がないとして、話を切り出そうとする彼の様子が変だ。

 別に知っていたって害にはならないと思うし、実際、聞いたんだけど、わからない。

 金竜さんの目つきがこわい……て、ここにはいろんな金竜さんが居るから……

「それより、あの人達はどうしたの?」

「ああ、竜をつかまえようとしていたらしい。拷問にかけると、脅しをかけたら見事に吐いたよ……勘違いじゃなかったみたいだ」

「そう……」

「なぜ君が力を落とすんだい」

「だって、イニシエーションは失敗……」