天翔る奇跡たち

「肉は食わせねー、野菜は嫌いじゃ、なーんも身につかねーじゃねーか! 育ち盛りのお子様達がよお。別にオレを喰えたあ言わんが」

 あたしは彼の言うことにいちいち頷いて、口火を切った。

「まず入浴して、清潔な衣服を着るの。気持ちよく過ごせば変な欲はどっかいっちゃうんだから」








「あのお」

「あん? 風呂はしまいか?」

「これで最後ですけれど」



「アー! がなしゅーがなんかやってるよ」

「がなしゅー。これなに、これなーに!」

「ミルクパンだ。てめーら、素手で触るなっちちち。すまん、アップルね、そこの鍋つかみを、だなあ」

「え? ここ、鍋つかみなんてあるの?」

 だって、金竜さんがたは驚異的な耐熱強度を誇る存在。ちょっと熱いのが、なんだっていうの?

「厚い布とかでじゅーぶんだ、アップル、それは雑巾……グフッ」

 クズ野菜のバケツに引っかかっていた布を投げたら、それがガナッシュの顔面にストライク。キャッチボールは投げ方、これで良いはずだ……はずなんだけど。

「言う前にやってよ……じゃなくて、ごめん」

「それを言うなら、投げる前に言え、だ……」


 ちょっと失敗。