「いいえって! 本当にくわねーのか?」
「いやあ……餌を欲しがるのは脱皮のときだけなんですよね、基本」
「あんながりがりで、んなはずあるか!」
「がりがり、とは?」
あたしが応えておく。
「こんなふうに頬がこけて、手足も細くて、ぼーっとしているじゃない。ほとんど栄養失調だわ」
ふむ、とジャガーさんは思案気にして、それから噛んで含めるように話し出した。
「先ほどいいましたがね、竜たちはえり好みする質なので嫌いな食べ物があるとじゃれるんです、どんなに心を尽くしても、ですよ?」
「ということは、今はあえて食べさせていないというのですか?」
「ハイ……わたくしもですが。食べると余計なエネルギーが、くだまいて因縁をつけてくるので」
ジャガーさんのその独特な言い回しに、あたしはくすっと笑ってしまった。
「冗談ごとではありませんよ?」
「あっ、あの。そうですよね、わかります……」
「あんたになにが……わかるというんです」
お目付役の青年は青ざめて眉をしかめている。
「おめーもわかってねーんだろ。しつけがなってない。こいつらに必要なこと、いくらしてやれたっつんだ。飢え乾いてんじゃねーか」
「どこも異常は無いようですが」
「マジメに聞け!」
「はい?」
「いつから喰っていない?」
「は……いつから、ですか?」
「一週間やそこらじゃない……わよね」
「あんた達、いつから人を食っていない?」



