天翔る奇跡たち

「ガナッシュ、大丈夫?」

「ああ、このこと、誰にもしゃべるなよ?」

「えっ、なんで?」

「騒がしいですねえ、どうかなさいましたか」

 ピシーッと姿勢を正して並ぶ吉弔たち。

「なんでもないようですね……」

 と、ジャガーさんがチラッと見ては出ていった。

「特に……あの」
 ガナッシュがアゴでしゃくるので、そうか、と思い、
「特にジャガーさんには、黙ってて欲しいのね?」
「シーッシーッシー!」
「なんですか? 呼びました?」

『アップル!』

(わかってる)

と、黙ってOKサインをこっそり送る。

「なんだかみんなで遊んでいるうちに、のどかわいたというか、口寂しいというか、みんなで食べられるものとかあります?」

「ジャガイモ……とか?」

「アッ、いいですねー、大きなお鍋で洗った芋を煮て、ごんごろごんごろ食べたいです」

「生じゃないんですか」

「えっ、ここでは生? ジャガーさんも?」

「いえ……」

 このひと、あたし達のこと、なんだと思っているのだろう……食べなきゃ死ぬよ。

「し、失礼。ここでは好物でもなければ、竜も吉弔も、……亜竜も、ものを口にしないのです。でも、そうですか……喉が、ねえ」

 難しい顔してる! どうしよう……

「おいしいものを食べるって、良いですよねえ。生き返ります。何よりみんなで食べると楽しいですし、そういう習慣はこちらでは?」

 惜しいなーっという顔をしつつ、ガナッシュに合図を送る。

「いくら竜でも暴れりゃ腹くらいすくだろう」

「いいえ……」