天翔る奇跡たち



「交渉? あったり前よ。なんでも交渉してみねえ事には損するだけだと、俺は教えておいたはずだな? で、なんだその洗濯物の山」

「アルバイト。ガナッシュ、手伝って?」

「オレは子守に明け暮れているんだ、自分でやれ」

「ちょっと、手をかしてくれればいいのよう」

「ちょっとの間も気が抜けねーの、こっちは」

「でもだって、はい!」

「なに?」

「交代、こうたい」

「よーやくちびどもが眠ったと思ったらこれか。オレいつ休めるの!」

「やっぱり、してみるもんね、交渉は」

「なっ、オレをハメたな! のろうぞ!」

「よくやった、と、言ってくれないかしら? 先生、みんな、眠ってるんでしょう? 騒ぐと大変。ね!」

「七対三だぞ」

「あら? 気付いちゃった?」

「ノーリスク、ノーリターン」

「ノータリン?」

「よくも言ったな」

「一頭につき? 時間につき?」

「一頭につき、だ」

「わかんないけどさあ、ここの通貨基準、どうなっているの。他の地区でも使えるの?」

「そいつは本当にわからない。物資と代えて山を降りるべきだろうな……重くて大丈夫か?」

「旦那みたいに言われなくてもわかります」

「あっわかる? グリフのマネ」

「もう、酷いよ! せっかく手伝おうとしたのに! それにグリフは黙ったままで、あたしに荷物しょわせるし」
「取り分減るなら、全部自分でやった方がマシ! 人の仕事とらずに洗濯したらいいじゃないかよ」