絵本や字のある本をよんであげたり、行儀見習い、なんて……親っていうひとたちは、子供になんって、多くの時間と愛情を注ぐのだろうか。自分もそうだったと思い返す。
彼女が産まれてきて一番大切なときに、彼女の母親はいなかった。いたのは森を侵すハンターばかりだった。その上彼女を護り、育てたのはコヨーテだったから、ドロップスの言葉はまだまだまねっこ言葉レベル。
だけど、グリフならできる。国の成り立ちを一冊一晩で読んでしまった彼だから。
否! と誰かが言ってる。
「なーんか、序列があるみたいなんだな。その人間に対する礼は最低限度のわび入れだ。オレは納得しねえぞ。上を呼べ」
するっと無視して、ジャガーさん。
「姫竜の背で谷へきりもみ落下なんて怖かったでしょう? えっ? 怖くない? 剛毅な方達だ」
だけど次の句で理由がちょっとわかった。
「あの方はしきたりに従って心を読んでも、また読まれてもいけないのです。だからみんなの目にはわがままと映っているのです」
「多分、こんな風に話したりすることが無かったから……」
「そうかもしれません。でもどのみちあの方
はどこにも心を置かず、残すことのないように、努めてらっしゃるようでしたから」
ふと、ジャガーさんは目を伏せた。
「わたくしなどはまずは礼儀作法に挨拶を覚えて頂きたいと思うのですが」
こんなに居心地悪けりゃ、家出くらい、するわよ……ダイノダイアさん……
ジャガーさんが言うようにわがままとか、とんでもない事を平気でする、などということは一切なかった。それどころか、脇門の前で待っててくれさえしたんだよ。危険だってわかっていたのに!
(ディノーディアさん……)



