「無くなっちまった。どーいうワケか食いもん全部、いや、オレが捨てた」
「無くなったの捨てたのって、あなたまさか!」
『こいつがそんなに気が付くワケがない』
『よりにもよって』
『よりにもよって』
『なんで、なんでなんで』
「やめろよ、そういうの」
さあっと海に道が開いたように、ガナッシュにじゃれてた金竜さんたちが一斉にあたしを見た。
『なんで、なんでなんで』
「やめろよ」
『なんで!』
「やめろっつってんだろ!」
『やめろっつってんだろ!』
『やめろっつってんだろ!』
『やめろっつってんだろ!』
『やめろっつってんだろ!』
リフレイン。
それと同時に、甲高い少女の声がする。
こちらも金竜だ。
年はこの子達と離れていそう。
どれくらい差があるのかってことは、実はあんまり考えたことはない。
誰かに聞いてみればわかるのかもしれない。
「地下倉庫にジャガイモの袋があったって! まだ新しいよ!」
ストレートのブロンドヘアが一斉に振り返る。
「みんな、早いもんがちだ!」
あっちとこっちで、同時に駆け出す音がする。
「すみません……みんな年頃なので珍しい物を見るとすぐそちらへいってしまうんです。そのくせ力だけはあまりに余ってて」
「竜の神様がお元気なのは国の平安を表すと伺いました」
「そんなことを言うのは、どなたさまでしょうね」
「これは失礼をいたしました。先ほど衝撃的なことに出会って、少々認識が揺らいでおります」



