グリフはオトコとオンナの躰を温泉につけた。銃弾は二発とも反れていたようだ。まるでおもちゃのような銃がオンナの手に握られていたという。

「良かった」

 グリフは相変わらず。頭の後ろを気にしてる。あ、もしかして石、当たっちゃったのかな、頭に。

「ふたりとも、命に別状ない」

 うれしそうな顔をするグリフ。あたしの方は複雑。その銃はね、婦人向けの護身用の物だったんだって。グリフが発見したとき言ってた。本当に小柄で、細身で、到底人を殺せるようなものじゃあなかったんだって。

 グリフがあんまりうれしそうだったんで、つられてよかったねえっと言いそうになるあたし。



 二人がのぼせてしまわないように、一度温泉から出して、それから……見守った。蘇生した方の話を聞いてみよう、ということでね。