天翔る奇跡たち



 聞くとこっちまで暗くなるような話を、だよ? いつものあの時間、えんえんと、こちらの方が叫びたくなるような、悲痛な想いを突きつけられたり、すんの。

 どうすればいい? 

 なんて、言われちゃってたり、すんの。

 わかる? じんせーの悩みなんだよ。若々しくないの、哲学なの。渋い。そして困る。めちゃめちゃ困るんだけど……それ聞くだけでグリフは気持ちが落ち着いたりとか、するんだろうか。だったら、それはそれでいい。

「でもそうすると仕事が無くなるだろう? アップルにはわかんないかな、ジレンマってやつだよ」

 あたしはすこし考えてから言った。

「この世であなた一人が危ない目にあわなきゃならないワケはない。やめたければやめればいい。後のことはまた一緒に考えましょう」