ちら、と彼はディノーディアさんの方を見る。彼女はこくりと頷いて、
「私は己で彼らの元へ行き、頼み込んだのです。仲間にしてくれと」
と聞くと空気が変わった。びゅうびゅう吹きすぎる風の中に、花にも似た香りが混じっていた。女王様は言った。
「なんと……いうこと。成竜となる前に人間と? ただの猿のできそこないに約束しただなどと、そう言うのですか、ダイノダイア!」
あ、やっぱ、そちらが本名なわけだ。今度からダイノダイアさんって呼ぼう。本人の許しを得られなかったらアレだけど、まずは心の中で。って、良いのかなあ? 聞いてみようか、迷うな。
「どんな約束をしたというのですか……」
竜の女王の怒りで辺りは真っ白になる。今度は濃霧の攻撃か?
「冷静で事に驚かず脚を引っぱらない、便宜をはかる、と……」



