これっきり、迎えに行く気が無いって事?
「それって、グリフみたいに、てこと?」
「さあ……ま、俺はばかだから。このままどこへも、手ぶらで帰れやしないよ。すこしでも目をひく土産がなくちゃあ」
一瞬、グリフの瞳が光った。うっとりと酒に酔ったかのように。ただ故郷を懐かしんでるのか、それとも婚約者の彼女の事を思うのか、そのときのあたしにはちょっと区別がつかなかった。
でも……忘れてなんかいないよね、ティラミスさんのこと。それを思うと、あたしは胸のところがずきん、とした。
そっか、そうだよね。グリフだって男の子だもん、功名心も野心だって人並み以上なんだ。でも、だったらなぜ、あたしやドロップスに優しいんだろう。全然、役に立ってないのに。
聞いてみたいけれど、今は任務を果たさねばならない。えーい! 契約書はどこだ?



