天翔る奇跡たち



「いや、自分で出たかっただけ。そんなこんなでさすらいの騎士誕生! あっはっはっはっは。俺、ただのごろつきだよね」

「グリフ、そこ、笑うところじゃないよ……」
 
 あたしは本気で怒ったが、グリフは根がのんびりしてるっていうのか、凄く楽天的。

「ま、称号はもらったから、いざとなったらどこかの領主様のところに士官するさ。これってね、あるだけで役に立つよ本当」

 そんなことを言って、家に帰る気は無いらしい。もともと養子に出されたのだって末っ子だからで……なんて言えばいいの? あなたは実家でも、親戚のところでも邪魔にされてきたのねって……言える?

「あ、でもでも。ま、待ってじゃあ、ティラミスさんはどうなるの?」

 聞いてみたら、こう。


「夢みたいな事言ってるね。あれだけ器量よしの年頃の娘を誰が放っておくって? 今頃モテモテの人生送ってるよ」