そんな話をしている内に電車はやって来た。

「気になるなら確かめたら?」

 そう言いあたしはリストバンドを外して、ツギハギの腕をオヤジに見せた。

「あたしはもう見てきたから」

 そう言い電車へと乗り込んだ。そしてベルが鳴り響きゆっくりと扉は閉まる。オヤジはホームで目を見開いたまま硬直していた。

「頭いたい…」

 朝からしゃべったのと人混みが効いた。携帯を開くとまだ遅刻ではなかった。