その言葉にオヤジの息が止まった。

「だから…その飛び込んだりしませんよ」

　ごまかすように口調が強くなった。

「この世界はね…魂の牢獄、死んでも終わらない…」

　ようやくオヤジは黙ってこちらの目を見た。

「………」

　あたしは構わずに続けた。

「また繰り返すの、死ぬ前よりも最悪になる…」

「………」

「だれも逃げられない…ここは牢獄だから…」

「…ろうごく」

「二度と人をやりたくないなら、寿命で死ぬ以外ない…」

「………」

「繰り返したいなら逃げれば？どうせすぐに看守に捕まるから」

「かんしゅ？」

「そう…魂が逃げないように…ちゃんと罪を償うように見張ってる」

「…ははは、面白い話…だね」

「別に信じたくないなら良いけど…本当だから」