そういう時に限って自分でもウンザリなほど、勘がいい…。

「ねぇ…死ぬなら次の電車にしてよ」

 いかにもこれから来る電車に飛び込みますって顔に書いてる中年のオヤジ。あたしの顔を少し見てまた前を向いた。

「そんなに死にそうな感じですか?」

 前を見ながらオヤジはあたしに言った。

「さぁ…ただの勘だし」

「…図星ですよ」

「だったらあたしが学校についてからにしてよ…あたま痛いんだから」

「迷惑ですよね」

「うん迷惑」

「わかりました…いつごろ学校に着くんですか?」

「三駅だから、8分後」

「そうですか…わかりました」