「…ありがとう」 声を絞り出して答えた。 考の手が、あたしの手から離れていく。 …イヤ。 放さないで。 あなたと離れたくないのにっ!! あたしを放さないで…。 放れた瞬間、とてつもない喪失感を感じた。 それほど、考はあたしにとって、 かけがえのない存在だったんだ。