『こずえっ!!この荷物自分の部屋に運んで!』


『はーい、』


母から段ボールの箱を受けとる。


『重っっ!?』

予想以上に重い段ボールを階段を上がって新しい自分の部屋に運ぶ。



私、関咲 杪 (かんざき こずえ)は今日この街に引っ越してきた。



私のただ一人の家族

お母さんの仕事の関係で。


私のお父さんは交通事故で亡くなった。


実はお母さんは私と血がつながってない。


お父さんは離婚して私をつれて今のお母さんと再婚したから、


だけど私は今のお母さんを本当のお母さんだと思っているし

前のお母さんのことは全然覚えてないし写真すらない

だから私は気にしてない。


部屋を整理していると
段ボールから見たこともないハートのシルバーネックレスがでてきた。


『綺麗‥‥』

ひとめで気に入った私は
そのネックレスを首につけた。




私の小さい頃の写真や思い出の品はお父さんが死んで一緒に燃やしてしまったという。


私の物なのに、なんでお父さんと一緒に燃やしちゃうの!!!!


前にお母さんに聞いたら
『お父さんが自分が死んだら一緒に燃やしてくれ』
と頼んだらしい。


なぜ‥‥?



私には全然
記憶がなくて残っているものもなにもない。


だから
小さい頃
自分がどういう人間だったかもしらない。


記憶喪失になったのかと思うくらいに過去の出来事を全く覚えていない。


だけどもぅ
考えないことにしてるんだ

ちょっと寂しいけど‥‥