会社に着くと、個人的な事などに関わっていられなかった。



いきなり課長に呼び出された。



企画書の提出期限が迫ってるけど、進行状況はどうなってるかの確認だった。



そう言えば、企画会議はあの“タイムリミット”の日と同じ日だった。



そうかぁ…



気が付くと自然と笑いが込み上げて来た。



仕事で疲れたとは言え“幻”まで見てたとは…



とにかく原因が解ったのだから、もう悩む事はない。



そう思うと、気持ちが前向きになり全てが、思う様に運んで行く気がした。



行き詰まってた企画書も、その日の内に大方完成した。



今日は、残業もそこそこ帰路に着いた。



電車を降りて歩き始めると…



再び、胸の奥底から、物凄い不安感が沸き上がって来た。



企画書もほぼ終わったのに何故だ!



嗚咽を伴う程、胸を締め付けられた。



『“タイムリミット”が迫っている!』



その言葉だけが、頭の中をこだました。



なんとか家まで、たどり着いた。



暑くもないのにシャツが濡れる程汗をかいていた。



シャワーを浴びさっぱりすると、気持ちが落ち着いたのか、少し楽になった。



缶ビールを飲んで、今日も早々寝る事にした。



暫く、布団の中で格闘したが眠れず、気になるものの期限を調べてみた。



時間だけが過ぎ、流石に明日があるので、仮眠程度の眠りに着くことにした。