会社に着くと直ぐさま、課長のところに出向いた。



挨拶も間々ならぬ内に、企画書の説明を求められた。



夕べのチェックが功を奏した。



自分でも驚くくらい流れるような説明ができた。



あの課長も、珍しく褒めてくれた。



人間褒められて嫌な気分にはならない。



その日一日中すべてが順調に運んだ。



仕事が終わり、帰宅しようと席を立った。



トイレに寄ってから帰る事にした。



用を足して手を洗ってると、6日前と同じ視線をかんじた。



振り向くと、そこにはまたもう一人の僕がいた。



「もう、終わりだ。間に合わない」



もう一人の僕は、そう言い残すと、何処へともなく消えた。