三つの月の姫君


「気持ちの悪い言い方をするな。しかしまあ、良くしゃべるヤツなんだな、おまえ。使いどころによっては役に立ちそうだ。好きだぞ」


 そういうと、にやりとして、ナイトガウンから覗く細い首筋を気にするように掻いた。


「あ、そこ」


「なんだ」


「虫さされしたでしょう。並んで二つも」


「またか……」