三つの月の姫君


「おまえは何かというとそれだ。はあとかへえとか、たまには別のことを言ってみろ。今なら耳をかしてやらんでもないから」


 青年は最初躊躇したが、根が素直なので、ぼそりと言ってみた。


「なんだ、聞こえんぞ。このオレが聞いてやると言ってやってるんだ。遠慮などするな」


「あの、なんでこちらに……」


「聞こえん!」