「よっぽどうまいんだな、おまえの血は」 「誰かさんと違って労働に汗してますから」 「わからんよ。この身に流れる遠い貴族の血がうまいと思う輩も、いないとも限らん」 言うなり彼は青年の腕をとり、それに歯を立てた。 「硬いな」 「おかげさまで、みっちり鍛えられてますから」 苦笑、後、照れ笑い。