三つの月の姫君



 とんとん、とんとんとん。

 
 彼は眠い目をこすって、戸を開けにベッドから起き上がった。


「助けて天使様!」


「はあっ?」


 出し抜けに言い出したのはフェミナだ。


 フィオナかな? とも思ったが、どちらかだろう。


 フィリアでないのは確かだ。


「わたし、本当は知ってるの。この城には魔物がいるって」