三つの月の姫君

 返事はなかった。


 でも、声はニンゲンだった。


 そう信じたい。


 そこで振り向くと、彼の主人は後ろからじっと見ている。


「一名様から、ご在宅です」


「そんなことはわかっている。中身を確認してこい」


「ミスター、蹴らないで、ホント……荒むよ、こっち」


「オレはもうとっくに荒んでいる!」