三つの月の姫君


「いるんじゃないですか、お化けー」


「あ、そちらはオカルト大全だった」


「どっちなんですか、うもォー」


「ようするに、どこにでも転がっている話だ」


 とん、とミスターは階段下の分厚い木の扉を示してその脇に立った。


「さて……少しはやる気になったか?」


「……なりませんよ」