三つの月の姫君

 わからない。

惑うようにそこらを見て回り、結論を出した。


「あんた警備員じゃあないの」


「ただの見回り係だよ」


「何か起きるって何?」


「おやおや、子供の好奇心を刺激してしまったらしいなあ」


「良いから言え」


古老は高圧的な態度にはいちいち干渉せず、いろんな人間が来た、と言った。


「この白い城には天使様が降り立ったとうわさで、公開したらひとが大勢来て、かざっているものやカーペットまで剥いでったのさ」


「もう何も残っていないのか」


 かたちばかりはこうして保っているが、と首をふる。


 ミスターは固まって何事か考えている。


「よっし!」



「て、もう結論?」


「聞いて驚け、オレは今日からこの城に住む。
天使が舞い降りるなんてうさんくさいからな。このオレが正体を確かめてやる!」


『それは、あまり感心しませんね』


「なんだおまえは」


『ここの一時預かりをしておりますですよー』


 さっきの青年だった。数々の像に埋もれて眠っていた……気配が希薄で、とても人間とは思えない。