三つの月の姫君



「お茶にしよう、君らは?」


「えー、あー、じゃ、コーヒーを」


「それよりプロテインの補充をしたい」


「好きなだけしたまえ」

 


 年は違えど頑張ってつきあってくれたのだ、まずはいたわりとねぎらいをと、思い、キャデラックの運転手にもコーヒーを振る舞う。


「ところで、なんであれ、犬なんですかねえ」


 そうしたら、ミスターがキッと睨むので、何も知らない二人は黙っていることにした。


「みすたー? そっち危ないッすよお」


「親が居るはずなんだ」

 


 と、つぶやき、ひとり躍起になっていた。


「ぼやっとしてるな、像をどけるんだ」


「そっすね。あー、やっぱり犬だ」




 掘り出された像はどこも欠けることのないままで、多くの像達の真ん中にあった。女神像の下に。



「何故犬とわかる」


 彼の眼前には見覚えのある青年が眠っていた。