「ええ、少しね」 というと、ミスターは軽やかに飛び、再び青年の鼻先を拳が弾いた。 「こういうのが一番堪えるはずなんだけどな、おまえみたいな軟弱そうな顔」 「記念にこっちももらっときますよ」 ばしゅ! と流血必至のパンチが届く。かわしてミスターがいう。 「させない。油断する方が悪いんだからな」 「なるほどね……油断は禁物ですか。でもね、それはあなたもですよ」