三つの月の姫君


「ええ、少しね」
 

 というと、ミスターは軽やかに飛び、再び青年の鼻先を拳が弾いた。


「こういうのが一番堪えるはずなんだけどな、おまえみたいな軟弱そうな顔」


「記念にこっちももらっときますよ」
 

 ばしゅ! と流血必至のパンチが届く。かわしてミスターがいう。


「させない。油断する方が悪いんだからな」


「なるほどね……油断は禁物ですか。でもね、それはあなたもですよ」