三つの月の姫君


「少しは。クインキャッスルはその筋で有名ですから」


「知ってて、ついてきたのか」


「くっついてきたのはあなただ。フィオナを捕まえられてしまったでしょう? 僕なら」


 青年は視線を落として、それからにっこり笑った。えらく下方からパンチがきた。


「楽しかったでしょう?」


「おまえは? 楽しかったのか?」


 二人の間で拳がギリリと鳴った。


 あわや、全面戦争か、というとき。