「ななな、何ものなんです、ウィリスって」 地味なのであまり印象に無かったが、思ってみれば不気味な感じだ。 一瞬、過去の映像が明るく、暗く、頭の周りを巡りだした。 ミスターの一言で我に返ったが。 「怖がるな。一緒に食事をしたのだろう。オレは嫌だったので逃げておいたが」 「そんな、得体の知れない者だとわかっていたら食卓囲んで、微笑ましくしてないですよ」 「そうか、じゃあ教えておいてやるが、ヤツは娘達三人を城に閉じこめていた魔物そのものだ」