三つの月の姫君



 お化けや妖怪やらは嫌いだが、秘密じみた演出や魔法は大好きな青年は誘惑にあらがえなかった。


「まず、この城だ。誰が、なんのために築いたものか」


「も、もしかして彼女たちを閉じこめるためとかっ」


「こういう事には反応がいいな」


「褒めなくて結構ですから、続きを早く」


 ふむ、と頷きながら、ミスターは言葉を継ぐ。