三つの月の姫君


「頭痛がして、目が覚めたらここに……」


「僕はフィリアとここで愛を結んでいたんですう!」


「ああ、なんだ。そういうことか。フィリアならいないぞ。おまえのテクが足りなかったみたいだな。泣いてたぞ。表の庭で」


「ちょ、愛の秘密を語ってはいけないんですよう……泣いてた?」


「あの様子じゃ、自ら魔物の花嫁になろうとするかもしれないな」


 青年は息を呑んだ。


「フィリア、いけない!」