三つの月の姫君


 彼女は魔物の生け贄になることを覚悟していた。


 いや、覚悟をせねばなるまいと考えていた。


 だから、最上の衣装、白い手袋に白い質素ではあるが、決して粗末ではないドレスに着替えて、天に祈りを捧げていた。


「朝から夜になるまでそうしている気なの?」