三つの月の姫君

 今までの蠱惑的なばかりの恋愛じゃなく、等身大の自分を知って、それでも嫌と言って避けずに居てくれたら……第一に都合がよろしい。


(あ、これって初恋なのかな? それとも自分を受け入れてくれそうだから気になっているのか? でも彼女はミスターよりも……)


 美しい、のである。


 ミスターはアラバスタのパーツ一つ一つが見目麗しいが冷たい。


 フィリアは目鼻だちはよく、小さな造りのパーツがバランス良く配置されている。


 彼といるときほ彼女はカワイく無邪気なお色気を発している。


 たまらない。


 青年がそんなだから、フィオナは焦っている。


 石像を見せられた時には正直、しめたものと思ったものだ。


 だが、いや、だからこそ。


  フィリアの像の前で口づけをしたら勝ちだ、と感じていた。


 ところがあの反応。
 

 自分と青年との温度差が否応にも伝わってしまう。


 彼がフィオナを愛しているわけではないことが。


 それがわかって、彼女は絶望してしまった。