だが、亡霊は揺らめき、さざめきながらかつての姿を映し出す。 ゆらりゆらりと列柱に遊ぶ姿はどこかゆかしい。 いかにもありそうな、という意味で。 門には雷の落ちた名残で、黒こげの鎖が湯気を立てて、門、それ自体を忌まわしい物にしていた。 縦と横に黒こげの十字が走っている。 これではうかつに近寄れない。