三つの月の姫君


「ミスター!」 


 思わず抗議の声をあげると、静かな口調でミスターが語った。


「苦しみのない者が哲学に、宗教に足を踏み入れることはない……」


 ふうん、ミスターもこんなことを言うのか、と顔を見ると、ぐでんぐでんに脱力している。


「て言うかあ、寝てますねえ。毎回毎回、ベッドに運ぶ身にもなってくださいよ。本当に」


 しかも今日は風呂上がり。


「へっくち!」


 覚めた頭が回転を速める。