三つの月の姫君

 言ってみろ、と男が目で促す。


「僕はあなたの配偶者でも、母親でもない、知った風なことを言っても肝心の時にそばに
いない、駄目な男なんです」


「だれがそんなこと言った」


「以前からつきあっていた彼女で、僕のことぼろぞーきんみたいに捨てたひとです」


 ミスターは首を鳴らせた。


「当たってるだけにむかつくな」