「乾くん、お疲れ様っ!はい、これ差し入れ☆」
「おおっ、菜美ちゃん!差し入れとか、まじすげえ~」
陽風の出番が終わった後、菜美は大丈夫と言いながら、あたしを控え室まで引っ張っていった。
(控え室って言っても、ステージ脇の小さな小部屋だけど)
菜美って、恋するとホントすごい行動力・・・。
差し入れまで持ってきてるなんて、そんなのアリ!?
あたし何にも持ってこなかったのに~!
「おい、陽斗!うちのクラスの菜美ちゃんの手作りクッキーだぞ!」
陽斗の幼なじみの乾くんは、人懐っこくて明るいムードメーカーって感じかな。
菜美の手作りクッキーをむしゃむしゃ食べながら、みんなにも勧めてる。
笑うと目がなくなっちゃうような、笑顔の素敵な男の子だ。
菜美、見る目ある!
「お前、ライブ終わった後はテンション高いな~」
陽斗はパイプ椅子に座ってのんびり乾くんを見上げてる。
とりあえず、何か言わなきゃ!
「お疲れ様、陽斗」
「そっちもお疲れ。なんか緊張してるみたいな顔だったな」
「えっ!うそ、そんな風に見えた!?」
確かに緊張もしてたけど・・・、ホントは陽斗を見るのに必死だったんだよ~!
陽斗はクククッと笑って、
「周りと雰囲気違ったもん。一生懸命、目見開いててさ。ステージからもはっきり分かったよ」
「よく見てるな~、ちゃんと集中してやってたの!?」
「当たり前じゃん、聞いてて分かっただろ~!」
ムキになって、言い合っていると、
「おい陽斗、アンコールのあれ珍しかったじゃん」


