冬至に向かうに連れて日が短くなり、一日一日もあっという間に過ぎ去っていく。

期末テストが始まり、そして終わるのもあっという間だった。


あたしだって(一応)高校生、しかも来年は受験生なんだからテストは重大イベントなわけだけど、今回は違っていた。

ただ教科書に線を引き、ノートを読み返し、付箋を張る。

そんな単純作業のためにじっと家にこもっているのが苦しくてたまらなかった。


本当は陽斗の所にいたい、でも行ってもあたしに何ができるだろう?

いや、きっとできることがあるはず。

でも勉強だってしなくちゃ。


考えても仕方ない思いばかりが突然湧き上がって、あたしの頭の中をかき回す。


もともと頭がいいというわけじゃないけど、それにしてもこの期末試験の成績はひどかった。
あたしのこれまでのテストでのワースト記録をたたき出してしまったんだから。

当然お母さんは絶句したけど、健にぃは渋い顔をしつつも何も言わなかった。

「次、がんばれ」

その言葉以外は。


あたしにははっきり言わなかったけど、健にぃも勉強のことや進路のことで病院に行って話をしてるみたいだった。

陽斗の怪我のことや、今の精神状態のことや、もしかしたらあたしのことについても色々聞いていて、気遣ってくれているのかもしれない。


とにかくテストは終わり、あたしはまた再開した部活と陽斗のお見舞いに忙しい日々に戻った。

12月も半ばを過ぎて、街にクリスマスソングが流れる季節になっていた。