誰もいないのを見計らって、自販機の陰に隠れてキスをする。 いつも以上に激しく求め合ってしまう。 何度も何度もキスをする。 「やっばい…たってきちゃうじゃん」 彼が言ってあたしは口を押さえて笑った。 「さすがにココじゃ無理だって」 「帰ってからのお楽しみだな」 「うん」 長い廊下を手を繋いで歩く。 前から歩いてくる妊婦さんにバレないように後ろでそっと手を握る。 病室に入る直前に彼がまたあたしにキスをする。 「とっとと帰りたい」 彼は口パクで言った。 あたしは軽く彼の肩を叩いた。