Bにしてみれば、なんのかんのいっても、結局自分はこういう女と結婚するのかもしれない、年も重ねるとそう思うようなときもある。
彼は幼い頃からこつこつ苦労を重ねるのが好きな質で、しかも思い切りも良い。
先生には気に入られるわ、上司には引き立てられるわで、バブルならまだしも、いまどき珍しい若くして大株主の一人。
新卒のときにはすでに株をやっており、今のままでは絶対に株では儲からない、と見て合法的なあらゆる手段を用いてがつがつと資金を作り上げ時期を待った。
そもそも会社には社会勉強のためだけでなく、自分の会社を立ち上げ、独立するための人脈作りのために入った。
たえず新しい風を入れておくためだった。



