「冗談だよ。つい最近買い足したの。通勤用のと別に」
「だ、だろう。そう思っていたんだ」
今時、煙突きとはアナクロな、と心に言い聞かせるように呟いていた。Aは言う。
「だからって、本物の馬鹿になっちゃ駄目だ。褒める時はほめ、叱る時は叱る。アメとムチだ」
「動物使いみたいだな」
「なんとでも言え。.女好き。色魔め、ぺっ、ぺっ」
「人々から色欲がなくなれば、地上は動物たちの楽園だ」
「俺は色欲じゃなく彼女を愛していて、結婚へと持ち込んだの。故に生まれた子供は責任持って、全員育てる気満々」
Bはこらえようとして逆に、派手に吹き出してしまった。
「失礼、君は親バカなんじゃないな。馬鹿親だ。あこがれるよ」



