「あら、サボテンが咲いたの? 珍しいこと」



 二人は長女を見上げた。彼女らは長い廊下の隅で、なにやらかごんでやっている。



 平屋一軒建ての奥の方から、台所で水でも飲もうかしらと姉が通りかかったのである。



「きれいだよね、ねえ、何でこんなにきれいなの?」