あたしは昌太お兄ちゃんが言おうとしたことがわかった。


あんな飛駆…みたことなかった。


あんなに苦しそうで…
可哀相で…悲しくて…
なのに強くて美しくて…。


集中治療室から聞こえてくる。
ピッピッピッという音が
いつ途切れるかと思うと…。



そんなことを考えていると温かい風が通った気がした。

「飛駆は死にやしないよ。」



飛駆のお母さんだった。