「亜由穂!!あたしトイレ!!」

実梨が再びコンビニに入っていった。


どうしよう…。
あたしが考える暇もないうちに、



「俺バカだわ…。ほんっとバカだわ…。」





飛駆が口を開いた。





半年も話してないから、何て言葉を返せばいいがわからず、あたしは黙ってしまった。




「アユの後ろ姿みつけたら、後追って来ちゃったんだよ。何考えてんだろな…。お前のことなんて何とも思ってないのに…なぁ!!」




飛駆の目に涙が見えた。





「えっ…!!」



あたしがいつもと違う飛駆に驚いていると、



「お前のせいだからな…。俺をこんなにしたの…。」




飛駆は狼のような目付きであたしを睨んだ。




そしてあたしは口を開いた。


「あ…あたしのことをこんな風にしたのだって飛駆なんだから!!どれだけ気持ちこらえて過ごしてたと思ってんの!?」



声がかれるかと思った。






「何も言うな。」





飛駆はあたしを自分の胸に押し付けた。







飛駆の涙があたしの頬に当たったと同時に飛駆がこう言った。



「でも俺はお前を幸せにできない。」



飛駆はあたしを離すと言葉を続けた。



「ごめん。シンと幸せになんなきゃブッ殺すからな。」






飛駆は背を向けて夜道に消えていった。