あたしはなぜか病院の前にいた。


133号室…。
ドアに手をあてると、なぜか気が引けた。






勇気を出してドアを開けようとしたその時




「誰?」



飛駆が出て来た。



「久しぶり!!電話出ないとかヒドイじゃ…」



「帰ってくんない?てかなんで俺がココにいるって知ってんの?」



みるみる目頭があつくなってきた。



「ばっかじゃないの!?あんた、あたしがどんな思いで…1年前から知ってたんだから!!病気のことだって。どんだけ心配したと思ってんの!?飛駆のこと忘れた日なんて無いんだよ!!」


思わず嘆いてしまった。



飛駆はあたしに背を向けながら、

「それ告ってんの?」

と言った。



感情的になっていたあたしは


「そうだよ!!飛駆が大好きなんだよバカ!!!」




と言い捨てた。




「俺そんなの興味ない。第一お前シンがいてよくそんなこと言えるよな。」




「えっ…。」



あたしは全てを察した。


「知世…。」


あたしのつぶやきを聞き逃さずに飛駆はこう言った。


「お前そんなんで知世のこと逆恨みしたら許さないからな。」



逃げ出したかったけど衝撃のあまり足が動かなかった。



「…飛駆は知世が好きなの?」




「…好きだよ。」




涙も出なかった。



そのまま飛駆にドアを閉められた。

結局飛駆はずっとあたしに背を向けたまま話していた。