東間が
「仁、逃げろ!!」
と叫ぶ。しかし、すでに遅かった。
九本の尾は仁の体をいたる所を貫き通した。

仁は体から大量の血が吹き出る。
香代は自分の頬についたまだ生暖かい血を手で拭き、それを口でなめる。
東間が
「最悪だ。」
香代の近くには仁だった物体が血だるまで存在する。
それでも東間は構えを崩さない。
九本の尾、それは狐爪家歴代最強である証。


東間が息を小さく吐いて
「いい加減に起きやがれや。香代。」


香代が何かに気づき、後ろに振り返ると

「……。」
仁が平然と立って香代の頭を掴み。
いや、決して平然とではなかった。
体は血だらけ、顔は貧血のためか青ざめて、瞳も虚ろだ。

それでも、不思議に真っ直ぐに凜と立っていた。


数秒後、香代は体を抑えて倒れる。

そして、香代は金色の狐、いや九本の尾をした小さな九尾になった。

それを見て、仁も背中から倒れる。
次の瞬間、仁は銀色の毛をした小さな狼になる。
東間が
「……どういうこと??」

と呟くと、そこに忍が現れる。

忍は
「香代の方は気を強制的に暴走させて、覚醒させたみたいだな。」
香代を横目で見る。