まぁ、確かに知らない人が見たら、そう見えるのかもしれないが…

しかし、何かこの状態が面白くなった。

以前にも新入社員が、来社した俺を暴走族かチンピラと勘違いして絡んで来たっけ。


『勝手な事されると困ります。
お引き取りならないのなら、通報しますよ。』

「あんた、何言ってるの?
俺はここの社長さんに用事が有るだけだから。
用事が済んだら直ぐに帰ってやるから、ギャアギャアわめくなよ。」


もう!こんな時に先輩は食事休憩から帰って来ないし…

メチャクチャデカイし、見た目もヤバそうな恰好しているし、何しに来たか分かんないけど、普通の人じゃ無いみたい。

強請?タカリ?

とにかく、社長に会わす訳にはいかないわ…

『お引き取り下さい。

お引き取りならないのでしたら、通報しますよ。』

「あんた、さっきからそればっかじゃん。

守衛でも何でも呼べば良いじゃん。」

なんか気の強い女だな。

『とにかく、お引き取り下さい……』

って言ってる時に…
良かった…守衛主任の長谷さんが来てくれたよ~!

これで、こいつを放り出してくれるわ!

「やぁ、長谷さん!」

『テジュン坊ちゃん、またですか!?』

「こいつ、俺の事を知らないから面白くて、ついふざけちゃった!」

『ふざけないで下さい。

あんたが最初に名乗らないのがいけないんじゃないですかぁ!

どう見たって不審者にしか見えないんですけど!!!』

「うっせぇんだよ。

ギャアギャアわめいて、一体研修中に何を教わったんだよ。」

『…』

「何も言い返せ無いみたいだな!

一体どこの大学卒業したんだ!?」

『大卒じゃなくて悪い!?』

「じゃあ、今年19才かぁ…俺とタメじゃん。

俺はてっきり大卒かと思っちゃった。

えらい老け顔!」

『うるさいわね!

私の顔なんて関係無いじゃん。

、T大か何か知んないけどさ、そんな恰好して、勉強しないで遊びまくってる只のボンボンじゃん。』

「そんな事は、T大に入れねぇヒガミっしょ!」

『まあまあ、二人とも!
辻本君、君はちょっと礼節と、落ち着いて行動する事に気をつけないと、これから先、又同じ事を繰り返すよ。』

「は~い。」

『テジュン坊ちゃん、貴方は将来この会社の三代目になるお方なんですから、慎んだ行動を!』

「長谷さんにはかなわないです。」