その後、順番にシャワー浴びて朝飯食って、再び原宿スタジオにやって来た。


地下に降りると、西条店長がソファーに座ってコーヒーを飲みながら朝刊を読んでいた。


「西条店長、おはようございます。」


『やぁ皆、早いねぇ。

まだ1時間も有るよ。

気合い入りまくりって感じかな!?』


「って言うか、道が空いていたから、思った以上に早く着いて仕舞っただけなんですよ。」


『まぁ、日曜日だからな。

表通りは賑やかでも、ここは一本裏通りだからね。

まぁ、コーヒーでも飲んで一服したら!』


この休憩室の隅に有る自販機で、ジョージアのオリジナル缶を買って、皆ソファーでくつろぎタイムである。


しばらくしたら、本堂店長もやって来て、9時半になったので、チューニングの為に、スタジオ内に入った。


「昨日は、約束とMY LOVE、Scrificed、それにIN MY BRAINの4曲しか出来なかったけど、今日はもっとスムーズにレコーディング進めてくれよな!」


確かに、練習不足だったから時間掛かって仕舞ったけど、一発撮りって無理が有りすぎだよなぁ…。


でも、そんな事言えば、


(ちゃんと演奏すれば、一発でOK出してやるさ!)


って言われそうだから、そこは素直に


『ハイ頑張ります。』


って素直に返事したのに、


「頑張るだけじゃダメだからね!

ちゃんと音にしてくれなきゃ!」


って、あんたは鬼ですか?


西条店長も、何か言ってやって下さいよ!って気持ちで、西条店長を見てみると……、爆笑しているし!


『じゃあ、始めようっか!

まずは、

Don't you worry about my heart!

言ってみようか。』


「1、2、3、4~♪」


メチャクチャ難しいブルースも、KYUが自分の物にしている。


しっとりと、力強く、それに艶やかに歌い上げるKYUが、羨ましくさえ感じる。


『よし、一発OK!』


「マジですか!?」


『良い出来だった。』


「KYUの歌が凄い上達していたにゃ。」


『だよな!

聴いててゾクゾクってしたぜ。』


「ジョージのピアノがばっちりリードしていたし、KYUの音程も、一度も乱れなかった。」


『よし、じゃあ次は

Fraction of memory

よろしく!』